カワセミスタイル

Read Article

都民住宅 一括借上契約終了の物語 第1話

都民住宅 一括借上契約終了の物語 第1話

一括借上契約終了にともなう事業相談は、突然始まった。

 

都民住宅とは

 国の「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」(平成5年7月施行)を活用し、広さ、設備など一定の基準で建設された、中堅所得者層向けの良質な賃貸住宅です。国の制度である特定優良賃貸住宅(特優賃)を東京都では「都民住宅」と呼んでいます。

 国と東京都から入居者の家賃負担を軽減するために建設費と家賃の一部補助が行われている住宅(都民住宅A型)と建設費の一部補助が行われている住宅(都民住宅B型・都市型民間賃貸住宅)があります。

都民住宅とは

 現在、都民住宅、都市型民間賃貸住宅の新規建設は行っておりません。

平成25年(2013年)8月某日。

その依頼は、暇を持て余していた私を見かねて、根回しをしてくれた方からのありがたい申し出で始まりました。
都民住宅の一括借上終了を平成29年3月に迎える物件について、一緒に考えてほしいというのがその内容でした。発注元のオーナー様はさらにありがたいことに、わざわざ契約書を作成して押印してくれたのです。
コンサルティング契約

定例会への出席

平成25年(2013年)9月第一週から、毎週一回朝9時30分からの定例会に、必ず出席する日々が始まりました。
そして、それはすぐに、毎週一回、私の作業の進捗状況を報告する場となり、私の提案場となり、オーナーとそのご家族のコンセンサスを得る場所となっていったのです。
私が経営修士(MBA)の資格を有しているとはいえ(筆者経歴参照)、海の物とも山の物ともつかない状態で、よくご英断いただいたものだと、今になって思えば感謝するとともに、期待を裏切らないように毎週必至だった当時を思い出します。

コンサルティング開始当初、都民住宅 一括借上終了に対して行ったこと

●契約条件の一覧
●「家賃等振込金額通知書」の入力
●「家賃減額補助通知書」の入力
まず、契約書を拝見し、契約条件の一覧表を作成しました。
次に、東京都住宅供給公社様から毎月送られてくる、「家賃等振込金額通知書」を4年前の平成21年(2009年)に逆上って、表計算ソフト(Excel)に入力しました。なぜ、4年前かというと、たまたまお借りできるファイルがそこからのものが綴られていたからです。
同様に、「家賃減額補助通知書」の内容も平成21年(2009年)から、各戸の変遷を記録していきました。

賃貸住宅の規模

ここで、私が相談を受けた賃貸住宅の規模ですが、差替えがない範囲でいうと、東京都住宅供給公社様が管理する都民住宅の規模で言えば、1棟あたりの平均戸数より多い規模だと思います。
ですので、過去4年に逆上って、記録を入力する作業はそれなりの労力を必要とする作業でした。

賃貸マンション事業を経営面から把握する

4年分の通知書の入力には、ご契約いただいたコンサルティング料の範囲で、ほぼ3ヵ月〜5ヵ月を掛けました。
この作業によって、担当する賃貸物件でどんなことが起きているか、つぶさに理解することができました。
単に金額を入力するのではなく、通知書の一件一件に目を通して、どんな作業にどのくらいの費用が掛かっているのかを理解し、またそれが、4年間でどのように変化しているのかを、知識として蓄えることができました。

ありがとうの報告会を開催!

多くの都民住宅の賃貸物件のオーナーがそうであるように、私が担当する物件も、相続対策の目的で個人所有の土地に建てられた物件でした。建築当初にオーナーがリスクを考えて、悩んだ末に契約したことで、契約期間中のオーナー家族は安定した収入を得、子どもは学校に行き、家族はたまには贅沢に外食を楽しんだのかもしれません。
それもこれも、あの時判断をしてその後も維持に心を砕いてきたオーナーの孤独な戦いの結果だということが、前述の分析から分かってきたのです。
作業開始から3ヵ月が過ぎた頃、定例会で私はひとつの提案をしました。

「この春に、家族会議を開いていただきたい。そして、そこで私からご報告をしたい。その内容は、オーナー、今までありがとうという内容になるはずです。」

私は、この家族会議をひとつのきっかけにしようと考えていました。
契約書に記載されているもう一つの役割「新経営に係る経営指標等の作成」を作成しご提案するきっかけです。
それは単なる経営分析ではなく、地域性・時代性そして事業承継を睨んだ経営指標のご提案を行うつもりだったのです。

平成26年4月の家族会議に向けて、書類が積み上げられた机の前を離れて、賃貸マンションの現状を探るべく、街へ出たのです。

次回、第二回「東京都住宅供給公社様とのはじめての打ち合わせ」は、2016年11月初旬更新予定です。

Facebookでコメント

Return Top